2017年7月26日水曜日

四、それ以前は土地、家柄の時代である。

前近代社会は土地支配の上になりたっていた。日本の江戸時代、幕藩体制といわれ、徳川の本家が七百万石、関東一円と各地方の天領を支配していた。つぎに親藩、連枝、譜代の大名領があり、ここまでが政権を支える勢力であった。全国の土地収入の三分の二に相当する。残りが中立、やむを得ず服従の大名領であった。
領地のなかで、武士と呼ばれる戦士の集団が、それぞれの持ち分を世襲の権利としてもっていた。いわば集団所有ふぇある。
フランスの前近代社会では、ヴェルサイユ城に三千人の大領主が集まり、政権を組織していた。つぎに日本のような集団所有はなく、領地は個人のものであった。大、中、小の領主がいて、これらが戦士、貴族であり、剣を持つ。日本の武士と同じである。
こうした土地万能の社会を破壊したあとに来るものが、近代社会である。

2017年7月23日日曜日

三、新時代を象徴する一言

1830年の7月革命で首相になった銀行家のラフィットは、新国王ルイーフィリップを迎えて、「さあ、いよいよ銀行家の天下だ」といった。その後の十数年は、オートバンクの専制政治立ったと言われる。上層銀行という意味である。
新国王は財布の王と翻訳されるが、これは誤訳で、もとのフランス語は、証券取引所といういみである。これを見るだけでも、新時代の支配者集団は誰かが納得できるだろう。
日本では、明治維新、討幕の直後、岩倉具視が西園寺公望に「これからは、いちにもににも金の世の中、いまなら土佐屋敷が安く手に入る。これを買いなさい。きっ
とおためになる」といった。西園寺公望はやがて住友家と縁組みをして、首相、元老として、第二次大戦まで権力を動かすことになる。

2017年7月21日金曜日

二不動産支配と動産支配の違い

前時代の支配者は不動産、すなわち土地支配のうえにたち、新時代の支配者は動産支配のうえにたつ。もちろん、両者共同で支配するということもありうるが、指導権争いの結果どちらかが勝利する。

2017年7月19日水曜日

1近代市民革命の基本法則

近代市民革命の基本法則とは、大土地所有者の集団の権力を破壊し、実業家の集団が新権力を組織することである。