2017年7月26日水曜日

四、それ以前は土地、家柄の時代である。

前近代社会は土地支配の上になりたっていた。日本の江戸時代、幕藩体制といわれ、徳川の本家が七百万石、関東一円と各地方の天領を支配していた。つぎに親藩、連枝、譜代の大名領があり、ここまでが政権を支える勢力であった。全国の土地収入の三分の二に相当する。残りが中立、やむを得ず服従の大名領であった。
領地のなかで、武士と呼ばれる戦士の集団が、それぞれの持ち分を世襲の権利としてもっていた。いわば集団所有ふぇある。
フランスの前近代社会では、ヴェルサイユ城に三千人の大領主が集まり、政権を組織していた。つぎに日本のような集団所有はなく、領地は個人のものであった。大、中、小の領主がいて、これらが戦士、貴族であり、剣を持つ。日本の武士と同じである。
こうした土地万能の社会を破壊したあとに来るものが、近代社会である。

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