2017年9月5日火曜日

八 土地革命説の間違いをただす

世界に広がった土地革命説 いままで紹介してきた絶対主義均衡説の誤りを正す努力をしたとして、すぐに別の反論がぶっつけられてくるのが目に見えている。それは土地革命説の側からである。「フランス革命では土地革命、農民革命が実現した。日本では、地主制が残存した。これでは封建制の名残が一掃されていないではないか」。つまり、日本資本主義は封建的せいかくをつよくひきずってきたのだが、フランスはそうではないと。私は先輩から、平野義太郎著「日本資本主義社会の機構」という本をもらった。「この本にすべてのことが書かれている。これが正しい」という。当時の初任給の3分の1くらいの価格で宝物のようであった。そこに「フランス革命では貴族の大土地所有を国有化の規模で収容し、これを農民に平等に分け与える」と書いてあった。これが正しいとすれば、天皇制絶対主義説が有利になる。反対する労農派もこれを認める。これではどうにもならない。私は、果たしてフランス革命でそのようなことが行われたのかと疑問をていするところから、この論争に決着をつけようとした。

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