2017年9月6日水曜日

フランスに貴族大土地所有が残存している。

まず社会科学の入口に入ったとき、平野義太郎の土地革命論に出会い、そんなものかなと思った。やがて「それにしては、あれはどうなる」という疑問が出てきた。フランス文学、オペラに出てくるフランス貴族は19世紀、城または館に住み、自分の土地を馬で駆け回り、パリに出ては豪遊をしている。「おかしい。フランス革命で失ったのではないか」。こうなると、どちらが正しいか決着をつけないといけない。まさか、小説やオペラ「椿姫」がないものを書いているとは思えない。とすれば、土地革命説がうそを言っていることになる。これについては、文学、芸術が科学的であり、社会科学が誇大妄想ということになるのではないか。こう考えたところで、「これは大変なもの相手に戦うことになる」と思った。まず身近な友人に話してみたところ、良い反応は帰ってこない。「そんな大それたことを言うのであれば、自分で実証してから言え」と、冷たい返事が返ってくる。これが全員の反応とみてよい。そこで事実を調べ始めた。様々な事実を原書から引き出し、異論の余地のないように集め、これも「フランス革命経済史研究」に載せた。現在、フランスにおける貴族大土地所有の残存を主張しても、当時ほどは反対されないであろう。テレビなどで、その実態が放映されている。だからこれは事実なのだ。だからこの部分については、当時の社会科学が間違っていたというしかない。こうして、「フランス革命でいわゆる土地革命はなかった」と言い始めたのであるが、「それなら領主権の無償廃止とか、亡命貴族財産の没収売却という法令はどうなる」と反論が出てきた。当然のことであって、これをすべて合理的に説明できないと、説得力はない。そこで更なる解明が続くことになるが、ついてきてくれる人が何人になるか、「よほど頭のよい人でないと無理だ」、こう私が弱気になるほど、内容が複雑になる。次回そこに入るので、なんとか忍耐力を持って読んでほしい。

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